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【佐々部清監督×西田聖志郎 トークショーレポート到着!!】


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本日6月7日(土)、シネマート六本木にて佐々部清監督と西田聖志郎さんによるトークショーが行われました!

「雨ん中、ゆくさ、おじゃいやした(雨の中、ようこそおいでくださいました)」
西田聖志郎さんの鹿児島弁でのご挨拶から、トークショーはスタート。
途中、重田千穂子さんもサプライズ登壇!大いに盛り上がりました!


今回はそのトークショーの模様をレポートいたします!!

【佐々部清監督×西田聖志郎 トークショー】6月7日(土) 於:シネマート六本木

<監督が引き受けた理由とは?>
・西田:出だしはちょっと固く行こうと思います。まず、監督にこの作品を引き受けた理由を伺ってみたいと思います。
・監督:えーっと、生活のためですね(笑)。とにかく女房子供を食わすために、まずは仕事をしなきゃいけないということで。一番の理由はそれです(笑)。とはいえ、自分がやりたい!という企画じゃないと、映画監督というのは元気良く「よーいスタート」をかけられないものですから。で、実際に脚本を読んでみたらとても面白かった。これはちょっと素敵な映画になるなと思って、引き受けました。ちょうど昨日の夜、僕が助監督のころ色々なことを教えてくれた先輩から「この映画は日本映画史に残る名作だ!」というすごい内容メールが来てで、ちょっと嬉しくてテンションが上がった状態で、今日は来ています。
・西田:いつも辛口の毎日新聞の野島孝一さんもベタ褒めでしたね。「小津安二郎のような精緻な会話の世界・・・」と。
・監督:やっとまともな評論家が現れましたね(笑)。

<薩長同盟が創り上げた作品>
・西田:僕と監督は『陽はまた昇る』という2002年の映画で
・監督:今は、二人とも陽が昇りきっていますけど(頭を指して)・・・(笑)
・西田:その佐々部監督のデビュー作のオーディションを私が受けまして。そのときに。どーんと真ん中に座っていた20歳くらい上の方を監督だと思って、ずっと意識して演技していたんですが・・・
・監督:それは、木村大作です(笑)
・西田:その後『劒岳 点の記』という映画を監督された、巨匠カメラマンですが、現場でもやっぱり監督みたいでした(笑)。それはともかく、佐々部監督と私は世代も近いし、撮影のあとに飲みに行ったりと、そういうところからご縁が始まりました。

・西田:この作品は、3年前に企画を立ち上げてスタートした訳ですけれども、なかなか波に乗れなくて。いろいろと準備でお金を使ってしまっている中、断念しなければいけない状況にもなりました。どうしようかと思って、ダメもとで佐々部監督に電話してみたら・・・
・監督:最初から連絡してくれれば、何の問題もないんですけどね。お金が目減りしたところで、僕のところに来るというのは、どうなんだと思ったんですが(笑)。ただまあ、彼は薩摩で僕は長州出身。薩長連合で1本映画を作るのも悪くは無いなと。なんとか僕がこの映画を立て直すことが出来るなら、と思って参加した次第です。
・西田:いろいろ紆余曲折ありましたけれども、佐々部監督はじめ佐々部組の皆さんが、誰一人欠けても、この映画は出来なかったなと思い、ほんとうに感謝しています。

<重田千穂子さん登場!>
・西田:この作品は舞台で、2009年から2年間、全国をまわっていた訳ですけれども、その時は私の別れた奥さん役で、映画では商店街の居酒屋「京ちゃん」のおカミ役をやっていただいたのが重田千穂子さんです。
・監督:オーディションで市毛さんに負けたんですよね(笑)。
・重田:そうですよ(笑)惜しかったんですよね。
・西田:僅差ですよね(笑)。

<解体された二人>
・西田:重田さんは、佐々部監督とは初めての現場で。いかがでしたか?
・重田:ほんとうに映画愛と人間愛にあふれた良い監督でした。日本アカデミー賞などもとられている素晴らしい監督なので、どんなに怖い人かと思っていましたが。
・西田:監督には大分助けられました。最近は予算の都合で、本番前は撮らないのですが、監督は本番の前もちゃんとカメラを回していてくれて。私の映っている場面は大体、本番前の映像ですから。
・重田:本番だと意識しちゃって。舞台でやり倒しているから、ちょっと余計なことしちゃうんですよね(笑)。やり過ぎってことで、私もずいぶん抑えられました。
・監督:この二人は、出ている俳優さんたちの中の余計なことする1位と2位です(笑)。
・西田:見事に解体されましたね。監督に。
・監督:最初の本読みのとき西田さんは“威厳を持った高倉健みたいな親父”をやろうとするんです。
・重田:心は二枚目だからね、案外(笑)。
・監督:今回のあなたは“女たちの尻に敷かれる情けない親父”をやるんですって言いましたよ。
・西田:いや、解体されるというのは気持ちの良いものでした。知らない自分と出会えるということで。ほんとうに佐々部監督には感謝しています。

<観客からの質問>
・Q:鹿児島の「真砂」を舞台として選ばれた理由は?
・西田:私自身の生まれ育った町が真砂なんです。昭和47、8年までは空港があり、動物園があり、とても賑やかな町でしたが、その後、空港も動物園も郊外に引越し、一気に寂れていったんですね。それは私自身の歴史が削り取られていくような感じで、きっと町の人もそういう思いをしているだろうと思って。何かこの町に恩返しを出来ないかなと、町が活気づく起爆剤にならないかな、というのがきっかけでした。
・監督:初めて聞きました。沢村一樹くんの故郷だから選ばれたのかと思っていました(笑)。

・Q:鹿児島出身以外の人には鹿児島弁が分かりにくいのでは、と思いましたが?
・西田:ところがですね、イタリアの映画祭では、イタリアの観客が鹿児島の上映と全く同じところで笑うんですよ。言葉を超えた訴えるものがあったんだと思います。まイタリア人の感性は鹿児島の人と似たようなところがあるのかもしれませんけど(笑)。
・監督:僕もどこまで方言をなくそうか、と思ったんですけれども、舞台のDVDを見て笑えたんですね、鹿児島弁は分からなくても。ただもう、どうしても分からないところは、主人公の吹石一恵さんの「さっぱり分かんない、方言やめて!」というセリフが観客の目線になれば良いと思ったんです。今日のお客さまの中で「ストーリーがさっぱり分からなかった」という方はいませんよね?そうなんですよ、それが演出という腕なんですよ(笑)。
・西田:お後がよろしいようで。お時間となりました。
皆さまの口コミが頼りです。ぜひ、多くのお知り合いの方々に「早く観に行った方がいいよ」とお伝えいただければと思います。
本日はどうもありがとうございました!